食道がん

【食道がんブログ2】大学病院でがん宣告「何科?PET-CTって何?」も解説

おなむ
今回は、父の大学病院に私も付き添った日の話です。
父はこの日、正式にがん宣告を受けました。

同じような境遇の方の何か励ましになればと記録しています。少しでもお役に立てたら嬉しいです。

食道がんは何科?まずは消化器内科へ

本題に入る前に、食道がんかも…?と不安な方へ

食道は消化器の一部で、食べ物を胃に運ぶ通り道として喉と胃をつなぐ重要な役割を担っている部分です。

食道に症状がある場合、まずは「消化器内科」を受診して内視鏡などで検査を受けるのが一般的です。
状態によって、消化器内科以外にも消化器外科や腫瘍科、放射線科などと連携して治療にあたることになります。

おなむ
父は、食道の詰まりを感じて、まずは近所の消化器内科を受診しました。
そして内視鏡検査の結果、腫瘍が見つかり、大学病院に引き継いでもらいました。

2025年1月14日

今回は、父の付き添いで大学病院に行った日の話です。

2025年1月13日 大学病院に行く前日

私は、大病の疑いを抱えたまま1人でいる父が気がかりでした。

また、ろくに食事がとれないと聞いてから体調も心配だったため「前日に私の家に一泊して、次の日の朝に一緒に大学病院に向かうのはどう?」と提案しました。

おなむ
病気になって初めて家族のありがたみがわかると言っていました。
今まで感謝したことなかったんかい!と笑いましたね。そんな自由な父です。

私の家から父のマンションまでの距離は車で30分くらい。

1月12日のお昼すぎ、私の夫が車でお迎えに行ってくれました。

しばらくして玄関先から父の話し声が聞こえてきました。

ドアを開けて入ってきた父は、確かに少し痩せていましたが、思っていたより元気そうで。

相変わらず姿勢もよくて、近所のスーパーやコンビニに一緒に歩いて行った時も、スタスタ歩くいつもの父でした。

ただ、やはり食事量はとても減っていると感じましたね。

食べる際は一口をとても小さくして、とにかくよく噛んで、水分と一緒に飲み込む(流し込む)。本当に少しずつ少しずつ時間をかけて食べていました。

その日は、チーズやお煎餅、味噌汁など、本人が食べやすいと感じるものを選んでもらいました。

近所の内科で内視鏡検査を受けた際の話も聞きました。

医師からは「腫瘍があるので大学病院に回します。詳しい話は大学病院で聞いてください。」と言われたそうです。

こういう時のお医者さんって本当に淡々としているんですよね。

おなむ
私も以前、手術を受けたことがありますが、担当医の冷静で淡々と話す姿には唖然としたものです。
本人はショックでなかなか受け止められませんよね…、だからこそ端的に話して、今後の道しるべを提示してあげるのも医師のお仕事なのかもしれませんね。

その内科では「がん」と断言されたわけではなく、「お父さんは運がいいから。確率は低いだろうけど良性の場合もあるし!」と、がんではない可能性に期待していると話していました。

1月14日、大学病院でがん宣告

次の日の朝、子ども達を小学校、幼稚園に送り届けた後、タクシーで大学病院へ。妹と娘も一緒に行くとついてきました。

予約は9:30

1階で案内されるままに受付を済ませ、胃・消化器外科へ移動しました。

こちらでも受付を済ませて、問診表を書いたり体重を測ったりしながら待合室で待機しました。

体重はやはり落ちていて、症状が出る前から4~5キロは減っていたようです。

おなむ
父は昔から水泳などの運動をしていたので、筋肉は多い方です。
私は体格のいい父の背中が好きでした。おんぶしてもらうと何とも言えない安心感があったから。

当初、A先生という教授の診察の予約だったのですが、A先生は肝臓専門とのことで、胃・食道の専門医であるB先生の診察になりました。

待合室。名前を呼ばれるまでは「●●さんは元気してる?」といったような他愛もない話をしていました。

いざ順番が回ってきて診察室に入る時はとても緊張しましたが、B先生の口調はとても穏やかで、少し肩の力が抜けた気がしました。

妹の娘が人見知りをして泣いたらどうしようという不安が伝わったのか、B先生は「泣いても大丈夫だよ、泣いてもいいからね〜」と妹親子に声をかけてくださいました。

そして全員が椅子に腰かけた後、近所の内科で受けた内視鏡のデータを見ながらB先生は、言いました。

「まず、食道がんで間違いないでしょう。」

私は握っていた手にぐっと力が入り、父の顔を見ると、父は静かに頷きました。

食道がんについて医師からの説明

B先生からは、食道がんについての説明を一通り受けました。

父のがんは、日本の食道がんの約9割を占める「扁平上皮がん」ということでした。

食道がんは、喉と胃をつなぐ管である食道に発生するがん。初期は自覚症状がほぼなく、早期発見が非常に難しい。

胃の内視鏡検査を定期的に受けることで発見しやすくなりますが、父は今までの健康診断はすべてバリウム検査だったそうです。

原因としては「飲酒」「喫煙」などが挙げられます。辛いものや熱いものを好む方もなりやすいと聞きますよね。

ですが、B先生は「これらの習慣がない方でもなるときはなる」と仰っていました。

 
おなむ
ですが父は大の酒好き。休肝日などありません。
休日は朝から飲むほどお酒をたくさん飲む人です。タバコも吸っていましたし…。
危険因子がばっちり当てはまってるんですよね…

進行すると、飲み込むときに違和感やつかえ感、胸の痛みなどを感じる事があるそうです。

そして一番心配なこと。それは、食道がんは転移しやすいということ。

食道の周囲にある気管や肺などにがんが広がったり、リンパ液や血液によって肝臓など他の臓器に転移する可能性があるため、詳しく調べる必要があるそうです。

今後の治療について

続いて、今後の治療についても説明を受けました。

食道がんの主な治療法

内視鏡的切除 内視鏡でがんを切除
手術(外科治療) がんの部分とリンパ節を周囲の組織とともに切除
放射線治療 単独または薬物療法と組み合わせる
薬物療法(化学療法) 主に抗がん剤
化学放射線療法 抗がん剤と放射線を組み合わせる
緩和ケア、支持療法


転移があるかないかによってがんのステージが決まる。

そして、がんのステージによって治療法の選択肢が変わるそうです。

父の治療法

内視鏡の治療は、がんが小さいステージ0や1といった本当に早期発見できた場合の治療法だそうで、父のがんから見ると選択肢は主に2つだそうです。

・術前抗がん剤治療、からの手術
・化学放射線療法(抗がん剤と放射線)または化学療法(抗がん剤)

ただし、肝臓やリンパなど、ほかに転移がある場合は手術は難しいとのことでした。

手術ができる場合、まず3カ月間の抗がん剤投与、その後がんが小さくなったのを確認して食道を切除する手術という流れです。

食道を切りとって、胃を上に引っ張り上げて繋げる手術。痩せるだろうなぁと思って聞いていたら、先生が断言いました。

「術後は胃が細くなるイメージをしてください。かなり痩せます。

おなむ
全然太くなく体重もコントロールしている父が、病気によってどこまで変わってしまうのか、不安が渦巻いていました。

今後の検査スケジュール

ますは肝臓やリンパなど他に転移がないか来週の月曜日(1月20日)に検査の予約を取りました。

次回の検査は以下の3つ。

・肝臓などを診る腹部エコー検査
・大腸の内視鏡検査
・全身のがんの転移を調べるPET-CT検査

肝臓のエコー検査はすでにしていて、水がたまってる肝臓嚢胞らしき影は確認されていましたが、がんの可能性を踏まえてもう一度ちゃんと検査してくれるそうです。

大腸内視鏡検査は自宅近所の個人クリニックで受けてもいいとのことでした。

万が一、肝臓などに転移があったら手術は厳しいので、抗がん剤と放射線の治療になります。

そうなると、がんを完全に消せるかわかりません。

PET-CT検査とは?

PET-CT検査って聞きなれないですよね。

PET検査とCT検査を同時に行うPET-CT検査は、がんの早期発見・転移・再発の診断・治療効果の判定などに用いられます。

PET検査 細胞の機能を画像化できる
CT検査 身体の形を画像化できる

PET検査では、活動が活発ながん細胞が正常な細胞よりもブドウ糖を多く取り込む性質を利用して、ブドウ糖に似た薬剤に微量の放射線を出す成分を足したものを体内に入れることでがん細胞の分布を画像化して異常を調べられます。

CT検査は経験した方も多いでしょうが、身体の断面を撮影して臓器の形や構造などを画像化して調べられます。見たことある方もいるでしょうが、あの輪切りの画像ですね。

この2つを組み合わせることで、病変がどこにあるのか、形や広がりを正確に診断できます。がんの転移や再発の有無を調べるのに有効とされているんです。

ヨード造影剤が使えない方も受けやすい検査となりますね。

おなむ
B先生からの説明はこういった感じで終了しました。終始丁寧でした。
その後、B先生の部下の先生と次回の予約を取ったり検査の説明受けたり、終わったのは午後3:00頃でした。

お父さんとカフェへ~娘の気持ち~

会計も済ませ、院内のカフェで休憩。

妹の娘がご機嫌ななめだったので、短時間だったけど、一緒にコーヒーを飲めたね。

お父さんは少しでもカロリーの高いものをって小さな洋菓子も。元気に話せるけど、レーズンは飲み込むのが怖いからって残してるのを見ると「本当に食道にがんがあるんだよね…」って思い知らされた。

タクシーで自宅に戻るお父さんに手を振ったあと、私は大学病院から自宅方向にひたすら歩いた。車で30分くらいの距離をただひたすら。

院内は換気の設備は整っているのだろうけど、空気の温度がこもりがちで、1月の冷たい風が気持ちよかった。

これからどうなるんだろう。先の見えない不安が襲う。

お父さんがいなくなったら嫌だ。さみしい。今までだって離れていたのに、そう思った。

どこかで元気に生きていてくれる、それだけで嬉しかったんだ。

私、根拠もなく、お父さんはずっと元気だと思ってた。バカだなぁ、呑気すぎた。

私は大学病院に行ったのはこの日が初めて。父の付き添いで初めて訪れることになるなんて、想像もしていなかったよ。

おなむ
この日は、たまたま夫が健康診断でお休みでした。小さい子ども達のお迎えやお留守番を代わってもらったおかげで、お父さんの病院に最後まで付き添うことができました。本当に感謝です。

来週の精密検査でがんのステージが決まります。

落ち着かない気持ちをごまかしながら、検査の日を待つことになりそうです。

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